大空を飛ぶツバメの巣
食用ツバメの巣の分類

食用の巣(edible bird’s nest)を作るアナツバメは、現在その形態学的特徴や巣の特徴、食べるエサや生む卵の数、(注1)反響定位機能による場所特定の能力により分類されています。

(注1)反響定位とは、自分が発した音が何かにぶつかって返ってきたものを受信し、その方向と音の遅れによってぶつかってきたものの位置を知ること。)

英国大英博物館のツバメ類学者である、George Robert Gray(ジョージ・ロバート・グレイ, 1808年- 1872年)氏はアナツバメをコロカリアという単一の属性に分類しました。

巣作り中のアナツバメ

コロカリア (Collocalia)は古典ギリシャ語の接着剤、糊の意味のkollaと巣を意味するkaliaが語源です。 (おそらくアナツバメの巣が唾液分泌部で作られている事からこの名前が付いたと推察される。)

ツバメの巣のことをコロカリアと呼称するのもここからです。

アナツバメの反響定位機能が発見される100年以上前までは、すべてのアナツバメをコロカリア(Collocalia) という 1 つの属に分類する方法が使われていました。

一方、コロカリアを3つの異なる属に分けることができると提唱する学者もいます。

それらは、反響定位しない小さなコロカリア属。反響定位しない唯一大きなハイドロキャス・ギガスというオニアナツバメ属。反響定位する小さなエアロドラムス属という3つにです。

しかし、その後は異なる研究者がしばしば異なる分類方法を提唱します。

例えば、3つの属を一つのコロカリア属にまとめる、あるいは、アナツバメ族を2つか3つの異なる属に分類するなど。

今までの分類する方法は、いずれも決定打はなく、信頼できる情報も十分に取れず、分類の混乱は、新しい分類法が緊急に必要であることを示唆しているのが現状です。